2020年4月より毎日のように報道されている「雇用調整助成金」ですが1日の日額が今回は8,330円と言われています。
コロナウィルス感染症により上限の引き上げを求める声が多数寄せられています。
雇用保険に関する助成金はいったいどこからでているのでしょうか。
雇用保険の被保険者でないパートアルバイトに今回支給することになっています。
財源は枯渇しないのだろうかと思い書いてみました。
目次
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財源は私たちから徴収している雇用保険料です。
わたしたちの給与から毎月天引きされている雇用保険料と会社が負担する分を合わせた雇用保険料が助成金の主な財源となっています。
雇用保険料の料率は一般の事業の場合(令和2年)
労働者負担 | 会社負担 | 雇用保険料計 |
3/1000 | 6/1000 | 9/1000 |
また、会社負担がさらに
失業保険・育児休業 | 雇用保険二事業 | 会社負担計 |
3/1000 | 3/1000 | 6/1000 |
に分かれています。
今回の助成金の財源となっているのが「雇用保険二事業」の部分になります。
簡単に計算すると
月額が30万円の社員がいたとします。
この人から引かれる雇用保険料は
300,000円×3÷1,000=900円になります。
会社負担の金額は
300,000円×6÷1,000=1,800円です。(うち二事業分は900円)
合計して2,500円を国に納めることになります。
雇用保険二事業とは
厚生労働省のホームページより
失業の予防、雇用機会の増大、労働者の能力開発等に資する雇用対策
と定義されております。
この二事業は「雇用安定事業」と「能力開発事業」に区分けされています。
ここで大事なのが「雇用安定事業」になります。
内容は
- 事業主に対する助成金
- 中高年齢者等再就職の緊要度の高い求職者に対する再就職支援
- 若者や子育て女性に対する就労支援
になります。
今回の「雇用調整助成金」はここに該当します。
2020年度の当初予算は26億円。事業主負担のみで賄う
2020年度の当初予算では雇用安定事業には26億円があります。
前年比で▲4億円となっています。
また、国の税金が使われているのかいうとすべて、上で記した給与の3/1000のみでまかなっております。
色々とネットと調べたりしていますが実績というのが意外とわからないものです。
「概算要求」というくらいなので去年のおおよその実績は30億円くらいだったのかなと。
コロナ対策の補正予算はこれから
日額の上限の引き上げを考慮していなかったらしく令和2年の第一次補正予算には盛り込んでいなかったらしい。
第2次補正予算で今夏の財源をねん出する考えだそうです。
特例に次ぐ特例でスピード感を求めれるのにちょっと心もとない気がしています。
「雇用調整助成金」は給与を先に支払いしてからの補填になるので経営者は少しでもタイムラグをなくしてほしいと願うばかりです。
休業手当の60%を完全に補填してもあと40%が従業員を苦しめる
コロナ感染症の特例により今回は休業手当の60%をカバーできるようにしてはいますがそれでも従業員には
収入減は否めません。
ここから社会保険料や住民税、所得税が引かれる手取りがさらに減ります。
事業主の社会保険料の支払い免除と伴って給与からの徴収も対策があるとよいとは思います。
これも支払いの先送りのため、いつかは支払うべきお金なので注意は必要に感じます。
コロナ感染症に伴う雇用調整助成金の支給状況
日本経済新聞の記事によると2月中旬から4月24日までの申請件数は2,541件となり
そのうち282件にとどまっているといいます。
休業手当が支給できないまま休業を余儀なくしている企業もあるといいます。
今回の特例で休業要請に従った場合は10/10補填しますという方針が打ち出されました。
ですが実際は休業手当の6%は会社負担があることがあまり報道されていないのが現実です。
少しでもわかりやすいように周知していただけるようにしてもらいたいです。